とりあえず「5分間立禅」のススメ

武道に興味がある方なら立禅はご存知だと思います。

太気拳の稽古法のひとつで、その名の通り立って行う禅です。

以前とある太気拳の先生から直接お教え頂いたのですが、実際やってみると大東流においてもかなり相性が良い、優れた稽古法なのであります。


その立禅ですが、実は武道の鍛錬法としてだけでなく、マインドフルネス瞑想としても最適です。

立禅はもともと中国の站樁(たんとう)というものが元になっていて、気功法という性格が強いのですが、私自身は気功にあまり興味がないのでそこは割愛します。

というわけで今回は武道以外でも役に立つ、マインドフルネス瞑想としての立禅をお伝えしたいと思います。

武道の枠を超えて広い分野で応用できますので、ぜひトライされてみて下さい。


マインドフルネスとは?

マインドフルネスとは、「今この一瞬を大切にする生き方」として近年注目されています。

世界のトップアスリートだけでなく、Appleの創始者である故スティーブ・ジョブス氏や、Google、ゴールドマン・サックス、P&Gなど世界のトップクラスの大企業でも組織的に取り入れられています。

そのマインドフルネスの実践的テクニックがマインドフルネス瞑想。

普通は座禅が一般的なようですが、武道の場合は立禅の方がより合ってると思います。


マインドフルネス

1.無駄な思考が減り、今やるべきことに集中できるようになる

2.至高の感覚と言われるピーク体験がわかる。

3.物事が目の前を流れていくような感覚、フロー状態を体験。

4.いわゆる「ゾーン」に入った状態。

5.地よい良い感覚に包まれる。

日頃日常に振り回されやすいメンタルを落ち着かせ、今目の前にあることに集中することで能力は存分に発揮できるようになると言われています。


私もある大雨の日に自宅のベランダで何気に立禅をしていたところ、それまで勢いよくザーー!っと降っていた雨が、突然フッとゆっくりになり、まるでスローモーションを見ているかのような感覚になったことがあります。

その時は高揚感があり悩みなどは一切消えて今この瞬間だけを見ているような感覚でした。

これがいわゆるピーク体験というもののようです。


本来30分~1時間くらいはやりたいところですが、初めての方だとなかなか難しいですすし、そんなに時間は無いという方向けに「とりあえず5分間」程度の立禅をおすすめしています。

ちなみに今回お伝えする立禅は、天山道場バージョンで、少しばかりアアレンジしています。 

             

立禅のやり方

手順

早朝、起きたらまず水かお湯をコップ1杯飲み干して一息つきます。

そしてトイレを済ませ、また一息ついて、それからおもむろに立禅を始めるのですが、部屋の中ならできれば窓を開け風を通して、見えなくても朝日の方向を向いておこなうと良いです。

自然をかんじられる屋外ならなお良しです。

室内の場合はパソコンやテレビなど気が散るものは全てオフ。

ゆっくりと立禅を始める。

もし時間に余裕があるなら、5分間にこだわる必要はありません。

むしろあまり時間を気にしない方がいいので、たとえ2~3分でも、もしくは10分超えても全然大丈夫です。

5分間というのはあくまで目安ですね。

ふと、もういいかな、と思ったところでゆっくり終了します。


姿勢

両足を肩幅程度に開き、膝をピンっと伸ばした状態からほんの少しだけ曲げます。

背筋を伸ばそうとせず、胸とお腹をまっすぐにするつもりで軽く伸ばす。

頭は正面を向き、首を立てて頭を背骨にのっけているようなかんじにする。

両手は胸の前まで上げ、上から見た時に大きな軽い風船を抱えているようなつもりで丸く手を出し、肘はあまり張らないように注意

上を向いている親指の先が肩の高さより上に上がらないようにする。

その状態で出来る限り肩の力を抜くと、頭が上から釣られているようなかんじになります。

全身をリラックスさせるかんじで。

前に出した腕と身体でまるでV字バランスかのように立ち位置を調整します。

身体の全ての重さは足の裏に集約するようなかんじで足裏全体に均等かかるようにする。

目は半開きで、視線は5mくらい先をなんとなく見る。もしくは目を閉じる

呼吸は腹式呼吸。

息は口から吐いて鼻から吸う。

吸う息より吐く息を長めに、ゆっくりと深く長~く。

鼻から吸った息は下腹部(丹田)へ。

意識は丹田に置く。

頭ではなく丹田付近でものを考えているような、そんなイメージです。

頭に浮かぶ様々な思考は無理に止めようとせず、そのままほっときましょう。

思考を眺めているようなかんじです。


立禅の段階

まずは腕を上げた時にどの位置が適切か?骨格や内蔵を意識して無理なところは無いか?全体のバランスは?と身体のいろんな部分を観察し楽で無理の無いポジシションを探します。

何度かやっていくうちに無理のない自然な姿勢ができてきますので、そうしたら徐々に呼吸に意識を向けます。

ある程度になってくるとその呼吸さえ忘れ、いつの間にか自分が周囲と溶け合い、自分が無くなっていくようなかんじになっていきます。

瞑想をしていると頭の中にいろんな考えが次々と浮かぶものですが、湧いてくる思考は自然なものなので無理に止めようとしても止まるものではありません。

なので呼吸に意識を向けることで、騒ぎ立てる思考が気にならなくなり逆説的に集中できるようになります。

始めたばかりの頃はたった5分でも上げた腕がきつく感じるものですが、ポジションが定まり慣れてくると、快適で気持ちよくなってしまい、いつのまにか30分くらい経ってたりします。

「とりあえず5分間立禅」は早朝だけでなく、お昼のちょっと時間がある時や、夜でも空いた時間にやるといいです。

あ、それからできるだけ人目が気にならない場所でやった方がいいです。

気が散るというのもありますが、知らない人が見ると相当怪しい人に見えますので。

ちなみに立禅に慣れた人の中には、街の人混みの中でも平気で始めたりするスペシャリストがいらっしゃいますが、相当ヤバいです(笑)


要注意!瞑想の副作用

これは立禅に限ったことではなく、気功法、ヨガなど、瞑想するメソッドは得られるメリットが大きい反面、デメリットもあります。

人によって多少の違いはありますが、瞑想を相当深くやり込んでいくと、目の前にお釈迦様が現れたとか、キリスト様が見えたとか、光に包まれたとか、宙に浮かんでいたとか、そういったぶっ飛んだ不思議な体験をするそうです。


実はこれは瞑想における副作用です。


座禅ですと「禅病」と言われるもので、気功法であれば「偏差」とも言われるますが、それはいわゆる精神病の一種のようです。

ヨガにおいてもクンダリーニ症候群といったものがあるそうです。


座禅なら和尚さんが警策でぶっ叩いて正気に戻してくれますが、一人だとそれはできません。

これを患ってしまうと、一人では治すのはなかなか大変なので、くれぐれもやりすぎには注意したいところです。

あまりにも深く長くやらない。

長くても1日トータルで30~1時間程度にしておくのが良いようです。


ちなみにこの副作用のことを知らずに、長く深く瞑想を続けている人の中には、副作用が出た時に「自分は高次元の存在」とか「私は神だ」とか言い出して、よりその状態を求めるようになったりします。

そうなると高次元どころか、社会にとって大変困った存在になってしまいますのでくれぐれもお気をつけ下さい。


そういう副作用もありますが、それはあまりにもやりすぎた場合であり、程々にやっているぶんには問題ありません。


短期間で深く長時間やるのではなく、長期に習慣化し適切に健全に続けることが肝要です。


もし立禅についてもっと知りたい、もしくは直接習ってみたい、という場合は遠慮なくメールかお電話でお問い合わせ下さい。

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