孟宗竹

道場のあるお寺の裏山には立派な杉林と竹林があります。

孟宗竹や真竹、淡竹(ハチク)など数種類の竹があり、毎年春にはタケノコがわんさか生えてきて美味しく頂いています。


そんな竹林を見ていて、ふと思い出した話があります。


以前、とある高名な空手家の先生と何度かお話をさせて頂く機会があり、面白い逸話を聞かせてもらいました。

その先生は御年70代で筋肉隆々ヘラクレスのような身体で、若い頃から毎日稽古を欠かさず積み上げて来られたそうです。


その先生のご子息もとる有名な空手家で、若手ながら達人級の凄腕を持つ方です。

その先生の邸宅の裏山には孟宗竹の竹やぶがあり、ある日ご子息に

「お前はあの竹を素手で折ることができるか!?」

と聞いたところ、

ご子息は

「やってみる!」

とさっそく孟宗竹の竹林に行かれたそうです。


いくら達人級とはいえ、孟宗竹を素手で折れるか?と聞かれて、やってみる、と即答することにびっくりです。

孟宗竹は竹の中でも一番大きく、成長すると直径は20~30cmにもなり長さも20m以上あります。

竹なので中は空洞とはいえ、外郭は石のように固く素手で勝負しようものなら自分の骨の方が折れてしまいそうです。

野球のバットで打っても、たぶんバットの方が折れます。

それくらい孟宗竹は固いのです。

結果的にはさすがに自然に生えている孟宗竹は素手で折ることはできなかったそうですが、切って人に持ってもらったら折れるだろう、と断言されたそうです。

本当にやってみたということにも驚きますが、やり方次第では折れる!と断言するところに、長年稽古を積み重ねられた空手家の凄みというものをかんじたエピソードでありました。

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大東流合気柔術 天山道場

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